トップ / お店はお客さまがまた来てくれることを期待してはいけない

2024.07.19(金)

お店はお客さまがまた来てくれることを期待してはいけない

伝所鳩

伝所鳩がオープンして3年と8ヶ月。カメラマンとWEBデザイナーの僕らにとって小売業は未経験。手探りではじめたお店は、方向性を変えながら、そして休業を挟みながらも、今もどうにか細く続いています。

お店をスタートした当初は、現在衣類が並んでいる車2台が入る大きさの元ガレージ。そのスペースだけでした。片手で数えられそうなほどの商品数しかなく、来店されるお客さまも片手で数えられるほど。どれも自分たちがおすすめしたいものばかりだったけど、選択肢の少ない品ぞろえではピンポイントで欲しいものが無ければ売れないよなぁと自分でも思うほどで、このまま続けられるのだろうかと不安になっていましたが、今思えばお店と言える状態でもなかった気がします。

そんなオープン前の期待が、少しずつ現実の不安に変わり始めた頃、一人の女性がやってきてくれました。近所に住んでいるわけでもないのにどうしてお店を知ってくれたのかは覚えていないけど、同年代ということもあって妻とすっかり意気投合。ガラガラの店内からは、二人の話し声が数時間に渡って聞こえてきました。

またすぐに来てくれるだろう。すぐに会えるだろうと思って見送った後、彼女がやってくることはありませんでした。いつか会いたいな。今どうしてるだろう。印象に残るお客さまに対しては、そんな風に思うことも最初の頃はよくありました。

あれからおよそ3年半が経った先日の営業で、彼女が再びやってきてくれました。閑古鳥が鳴いていた頃より少しだけ賑やかになり、以前のようにゆっくりとお話することはできなかったけど、また来てくれたこと、そして元気な姿が見られたことがとても嬉しかった。お店を続けていてよかった。そう心から思いました。

お店は来るものは拒めないし、来てくれとも言えない。またいつか会いたいと思っても、いつ来てくれるかも分からない。そもそもまた来てくれることを期待をしてはいけないのかもしれないし、最近はそういう期待をしないようにしています。

でも、続けていた先にまたこんな出会いがあるんだと、お店をやる楽しさや喜びを感じた再会でした。

お店のこと、今も覚えててくれてありがとうございました。期待しちゃいけないけど、また会いたいな。また会いましょう。

PAGETOP