トップ / どうせ住むなら町のことを好きになったほうが絶対におもしろい
10日間に渡って日高町で開催された「ヘンテコウィーク」は、先週末で無事に終了しました。
伝所鳩も、物販やフリマで協力させてもらい、学生さんたちの熱量を間近で感じることができたとともに、参加している地域住民の地域愛も感じられ、みんなで盛り上がった一体感のあるとてもいいイベントでした。集客も想定をはるかに上回り、連日大盛況で幕を閉じたようです。
フリマもたくさん必要としてくれる方に届き、タンスの肥やしになっていたり、捨てる寸前だったものを誰かに引き取ってもらえて、とても嬉しいです。手伝ってくれた友だちたちにも感謝!
と、大成功のヘンテコウィークですが、最初にお声がけいただいたときは、よくわからないイベントでどうなることやらと、ちょっと不安な印象だったのが正直なところでした。そんな状態では、僕らも誰かに紹介することもできないし、よく分からないイベントをおすすめするのも無責任すぎると思い、学生さんたちに急遽インタビューをして、記事にまとめさせてもらったりもしました。
このインタビューによってイベントのこともそうですが、学生さんたちの考え方や、地域との関わり方が見えてきて、僕自身とても考えさせられるものになりました。
ヘンテコウィークを企画している学生さんたちは、移住者ばかりですが、今は日高町に住んでいて、この町の住民の一人。当然ながらご近所付き合いや地域活動に参加できる権利を持っています。
しかしながら、こういったご近所付き合いは、多くの方がめんどくさいとか、嫌だなぁと思っているのがほんとのところ。特に地元の方になればなるほど、その色は強いように思います。強制ではないので参加をしないという選択もでき、拒否する方もいます。親世代がまだ元気な家庭では、親まかせで若い人たちは参加しない世帯も多く、もっとたくさん若い人が住んでいるのに、地域活動には高齢者ばかり、というのが田舎の現実です。
でも、学生さんたちはご近所付き合いを楽しんでいて、運動会もお祭りも地域の清掃活動も、嫌々ではなく喜んで参加しています。誘ってもらえることがむしろ嬉しいと楽しそうに話す姿は、地元の20〜30代の若い世代は見習うべきところかと思います。ヘンテコウィークにも積極的に地域の方を巻き込み、まずは地域住民に参加をしてもらうことを重視して企画が考えられていたのが印象的でした。
学生さんたちをはじめ、移住者にとって日高町は、自ら選んでやってきた場所。でも、もともと住んでいる地元の方は、選んだ場所ではなく、考え方もその真逆だったりします。
ヘンテコウィーク期間中、伝所鳩に来店されたお客さまからこんなことを言われました。それは、今年僕らが作った日高町のことをプリントしたTシャツをご覧になって、「豊岡や日高を背負って歩くなんて恥ずかしい。誰がこれを着るんですか?」と。
日高町を盛り上げようとしている学生さんたちがいる一方で、こういった意見もまた、とてもリアルな声です。僕も地元のことは好きではなかったので、出身地を語ることもしたくなかったですし、長い間都会に住んでいたので近所付き合いが嫌というか、やる意味すらはじめは全く理解できなかったので、このお客さんの反応も気持ちもとてもよく分かります。
でも、それを踏まえて問いたいのは、なぜ好きでもないこの町に住んでいるのですか?と。きっと学生さんたちもそう言うでしょう。
さまざまな理由で住む場所を選べない方もいると思います。でも、どこに住むかは自由なはず。嫌いなら住まなければいいし、住むならば文句を言うのではなく、好きになったほうが絶対に楽しいはず。
僕はこの町が嫌で自分の意思で外に出ました。そして、帰ってくる決断をしたのも自分。だから、この町のことを好きになろうと思って暮らしています。
なぜ自分が住む町に対して誇りを持たないのか。そして、好きになってあげないのか。全力で地域を楽しむ学生さんたちを見ていると、昔の自分が恥ずかしく思うし、楽しめないのはとてももったいないこと。
今回のヘンテコウィーク、たくさん学生さんたちから勉強させてもらったように思います。そして、地域全体としても学ぶことは多かったように思います。