トップ / 2025年の九州のつくり手を巡る旅(3日目-後半)
3日目の午後は、波佐見町を後にして、長崎県は東彼杵(ひがしそそぎ)郡へ。
東京で知り合った知人が、大村湾の景色に魅了されて移住したと聞いて、以前からどんな町だろうと気になっていたところ。行ってみるとその理由も納得の美しさ。
日本海側とは全く違った穏やかな大村湾は、初めてきた僕らを「いらっしゃい」と迎えてくれるようでした。
東彼杵にあるsorriso risoという複合施設も、気になっていた場所の一つ。でも、実際に行ってみると想像していた場所とは少し違っていたのと、お昼ごはんやお茶を済ませてきてしまって、特にすることもなく建物を見学して、そそくさとお店を後にしました。
でも、特にあてもなくこの町に来てしまったので、さて、どうしたものかと。
すぐ近くに観光スポットになっている駅があったので、トイレを借りるついでに立ち寄ってみることに。
大村湾に隣接してある「千綿駅」は、歴史ある駅舎と、ホームから見える景色に、多くの写真愛好家が訪れる場所だそう。
写真を撮って時間を潰していると、リアルタイムで発信していたインスタグラムのストーリーズを見た知人から連絡が入り、すぐ近くにある道の駅で会いましょうということに。
会いに来てくれたのは、生きるように働くをコンセプトにした求人サイト「日本仕事百科」の前編集長を務めていた中川さんと、奥さんのみわこさん。
東京で暮らしていた頃にお会いしたことがあったのですが、会うのは数年ぶり。しかも、再会が長崎になるなんて、初めて会ったときはお互いに想像もできない展開でした。
中川さんは、数年前に長崎の大村湾の美しさに惹かれ、この町に移住したそうですが、そのことは、個人のSNSを通じて知っていたので、彼が惹かれた町ってどんなところだろう、とずっと気になっていて、ようやくこの地を訪れ、空気感を肌で感じたり、景色をこの目で見て、そして中川さんから直接お話も伺うことができて、はるばる来てよかったです。
中川さんたちにおすすめされて行った、地元のスーパー「食鮮館おおかわ」さんは、商品のラインナップから、お惣菜までどれもとてもすばらしかった。
伝所鳩の近くにあるガンピー穀物倉庫さんと同じようなラインナップのものが扱われていて、ショッピングモールやチェーンのスーパーなどに行くと、いつもどれを買ったらいいのか分からない。あまりにきれいすぎて不自然。買いたいものがない。という不安な気持ちになることが多いのですが、スーパーおおかわさんは、このお店が選んだものなら安心だろうという安堵感が感じられるラインナップで、お店に入るとなんだかホッとしました。
長旅のちょうど折り返しくらいのこの日。スーパーおおかわさんとの出会いは、そういうお店のありがたみや大切さを改めて感じました。僕らがもし新しい場所で暮らすとしたら、信頼できるスーパーがあるかないか。これが住む場所を選ぶ基準や、外せないポイントになってくるのは間違いないかなと思いました。
僕は、豊岡が地元。理由があって帰ってきました。帰って来ることを決めたのは自分だけど、住む場所を自分で選んだわけではなかったので、縁もゆかりもない地域を選んだお二人とは、同じ地方への移住でも、またちょっと違って、自分が住みたい場所を選ぶとしたらどこを選ぶだろうと、長崎の夕焼けを背中に車を走らせながら、いろいろと考えさせられました。
長崎、もう一度ゆっくり来たい。とてもいいところでした。