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2025.11.07(金)

福祉作業所でつくられた生地「さをり織り」

和・とーぷ

福祉作業所でつくられた生地を用いて、小物や鞄をつくるブランド「AND HANDS BAG」のポップアップイベントが、昨日からスタートしました。

特徴的なカラフルな生地は、「さをり織り」と呼ばれる織りの技法で作られたもの。豊岡の福祉作業所にも取り入れられていて、そこで織られた生地が使われています。

今回のイベントの前に、さをり織りの生地がどのように生まれているのかを知るべく、豊岡市内の福祉作業所のひとつである「和・とーぷ」さんに見学・撮影をお願いして、現場を見せていただきました。

「和(なごみ)・とーぷ」さんは、指定就労継続支援B型事業所です。この制度は、一般就労が難しい方が、自分のペースに合わせて働きながら、少しずつ力をつけていくことができる仕組みで、雇用契約を結ばずに通所し、ものづくりや作業を通じて働く経験を積む。その日々の積み重ねが、社会との関わりをゆっくりと広げていきます。障がいのある方が自分のペースで働きながら社会とつながる場として、さまざまな”授産事業”を行っている福祉作業所です。

授産とは、ものづくりや作業を通じて、働く力や自立を育む取り組みのことで、その内容は多岐にわたり、ウエスの加工や地元企業からの下請け作業、敷地内の畑での農作業、古紙回収、パーキング清掃、植樹管理、販売訓練などのほか、公共施設の清掃や除草といった地域に根ざした仕事も担われています。「さをり織り」は、こうした多様な仕事のひとつとして取り組まれている活動です。

施設内には、さをり織りのためのオリジナル織機が並び、利用者の方々は好きな色の糸を自由に選び、リズムよく糸を通しながら布を織っていきます。色の組み合わせも、太さも、感覚のままに。さをり織りには、間違いや正解がないからこそ、そこにひとりひとりの個性があらわれます。

AND HANDS BAGでは、この織り上がった布を買い取り、小物や鞄に仕立て、製品として販売することで、利用者の方々のつくったものを世に送り出す活動をしています。

工業製品のように決まったものをつくり続けるのではなく、生地をみて思いついたものや、つくりたいと思ったものをつくる。さをり織りのようにそこに決まったルールはなく、自由な発想でものづくりをされています。

「和・とーぷ」さんの仕事のひとつとして生まれたさをり織りの生地が、こうして手から手へとつながっていくことを、今回の展示を通して感じていただけたらうれしいです。

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