トップ / 5周年を迎えました
本日、伝所鳩はオープンから5周年を迎えました。
人通りの少ない住宅街で、出歩くのさえためらう雰囲気だった2020年に、ガレージから始まったお店も、なんだかんだありながら、5年が経ちました。もう5年のようで、まだ5年です。
両手で数えられるほどの商品も、いまでは1,000点以上になり、ガレージを飛び出し母屋も埋め尽くすボリュームになりました。
そのほとんどの商品は、問屋や商社を挟まず、つくり手さんから直接仕入れているので、バーコードのないものも多く、棚卸しがとんでもなく大変ではありますが、そのかわり最初よりは、すこーしだけお店らしくなったように思います。
以前は、片手間でやってるお店なんですねって言われることもあったんですよね。まあ別の仕事をやってたので、間違いではないですが笑
ありがたいことに、少しずつお客さまも増えました。先日は、同じ市内に住む昔からの知り合いが初めて来てくれました。嬉しかった。でも、友だちが初めて来るまで、5年もかかってしまう、そんなお店です。というか、お店に来てもらうってとっても難しいこと。
だから、来てくれてありがとうと言いたい。たとえ5年越しでも、来てくれた事実が何よりです。次に来てくれるのは、10年目かな。来てくれるかどうかも怪しいし、お店が存続してるかどうかはもっと怪しいですが笑
この5年の間、初期から通ってくださる方もいれば、一度きりの方もたくさんいます。まだ来てくれたことがない近所の方も、知り合いもいます。お茶ができるわけでもないし、何か買わないと退店すらしにくい小売店に何度も通うのって難しいですよね。だから、そんなハードルを乗り越えて来てくれた全ての方に、心から感謝です。
伝所鳩は「つくり手」と「産地」を伝えるお店として始まりましたが、今はそれだけでなく、この町自体を良くしたい。そんな思いが強くなっています。それは僕ら自身がこの町に住んでいるから。
自分たちが誇れる町にしたいし、子どもたちにもそう思ってもらいたい。暮らしていて楽しい方がいい。最近は積極的に周りと交流する機会を増やしたことで、同じような想いを持ったお店や人たちとの繋がりも増えてきて、6年目、7年目はもっとおもしろいことが起きそうな予感がしています。
でも、正直言うとお店は、いつまであるかわかりません。SNSを見ていると「閉店します」といった投稿をよく見かけ、「ああ、こうやって静かに消えていくんだな」って実感します。僕らも明日は我が身です。経営が厳しいお店ほど、それを言わない。みんな笑顔のまま、急にいなくなる。だからこそ、僕らは言います。好きなお店があるなら、通ってください。僕らも頑張りますけど、みんなが来てくれないと、普通に潰れるのが個人店です。
チェーン店や100均、ホームセンターだけが残る町。それでもいいという人もいるけど、僕は正直、それはつまらない。「便利」だけで町をつくると、結局どこにでもある町になってしまう。住み続けたいと思わないし、住む理由にもならない。地元の人も誇れなくなる。
もちろん、お店をやるのは悲観的なことばかりではありません。お店は、やっぱり最高におもしろい。学校や会社、ママ友や地域コミュニティ以外の出会いがあるし、強制された繋がりでもない。そして、頑張れば頑張った分だけちゃんと返ってくる。これは会社員時代には絶対味わえなかった感覚です。もし、お店やりたいとか、知り合いを増やしたい、世界を広げたいと思っている人がいたら、大変だけど、やったほうが絶対いいです。
そして、地域のことでも、お店のことでも、なにか一緒にやりたいと思っている方がいれば、ぜひ声をかけてください。この小さな町でお店をやってる人なんてほんの一握り。個々で頑張るのもいいけど、それってあんまり面白くない。僕らはちょっと捻くれてるので(いやだいぶか)、合う合わないありますが、それでも好いてくれる人たちと一緒に楽しいことやりたいです。
長くなりましたが、最後に大切なことを。
現在、伝所鳩は火曜・水曜が定休日の週5日営業です。一時期は長期休業もしてたので、「もうやめちゃったんですよね?」って聞かれることもありましたが、大丈夫です。ちゃんとやってます。むしろ今がいちばん元気です。
しばらくはこの体制でやっていくので、ぜひふらっと覗きに来てください。ふらっと来て無くなってないように必死に頑張り続けます!ここにお店があってよかったなぁと思ってもらえるように。
それでは、6年目もどうぞよろしくお願いします!
伝所鳩