トップ / 作れば売れる時代ではなくなった
おはようございます。本日も定休日になります。今週は、木曜と金曜は営業、土曜からしばらく少し長いお休みに入らせていただきます。
さて、昨日もご紹介させていただいた筒井時正玩具花火製造所さん。まだまだお伝えしたいことがあるので、引き続きご紹介させてください。
筒井時正玩具花火製造所さんは、国内唯一となったスボ手線香花火を作る製造所ですが、花火に限らずものづくりは、ただ単にものを作れば自然とお客さまの元へ届き、そして使ってもらえるかというとそんなに甘い話ではありません。
どういうことかというと、どんなに良いものを作れたとしても、お客さまが手に取りそして買ってくれなければ決して商品が使われることはありません。特に、花火は外国産の安価なものが大量に日本に入ってきている中で、国産と外国産を差別化する必要がありました。
また、花火はゴミや火の問題から公共の場で花火ができる場所が年々減ってしまっており、都会ではたとえ自宅の前であっても煙などの問題から、花火が売っていても気軽にできる場所がありません。
筒井さんの花火は一般的なものに比べ洗練されたパッケージになっているのは、こうした考えのもと、価格では勝負ができない外国産の花火と差別化をするために、デザイナーさんの力も借りデザインを変える選択をしました。これはパッケージに限らず、どのように流通させるのか、お客さまがどのようなシーンで購入し、どうやって使うのかも含めてデザインがなされました。昨日の投稿でご紹介したように「贈り物」として花火を選ぶ方が増えているのも、こういったシーンを想定してパッケージを変えたことが、花火がギフトとして選ばれるようになった理由の一つかと思います。
そして、筒井さんの製造所にあるショールームでは、花火を一本からばら売りしていて、昔の駄菓子屋さんのように子どもたちが自分で花火を選んで買えるようになっていたり、奥には花火ができる真っ暗な花火部屋が併設されていて、そこで花火が楽しめるようにもなっています。ぼくらも伺った際にそこで実際に花火をさせていただきました。
さらには、花火をしたことがないという都会の子どもたちが増えている現状を知った筒井さんは、花火を遊べる場所がないなら作ってしまおうと、「川の家(かわのいえ)」と呼ばれる宿も作り、運営をされています。そこでは宿泊した方が思いっきり花火を存分に楽しむことができるようになっているというから驚きです。
このように、ただものを作るだけでなく、その先のことまでを考えたものづくりをされているのが筒井時正玩具花火製造所さんの花火。厳しいものづくりの状況がある中でも、どうにか国産のものづくりが残っていくようにと筒井さんは知恵や発想の転換によって、奮闘されています。外国産のものが一概に悪いというわけではないですが、こうしたものづくりをしている方が日本にいるということを知って遊んでもらえたら嬉しいなと思います。
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