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2022.05.24(火)

新しいアイデアで古き良きものを再活用する/THE SPICE

THE SPICE

先日、少し足を伸ばして久美浜まで行ってきました。なかなか機会がなく約1年ぶりの訪問でした。

この地域にお住まいでない方にはよく驚かれますが、伝所鳩のある豊岡市は、車で東に30分も行けば京都。西に1時間も行けば鳥取です。京都市内までは2時間ほどかかりますが、京都の北部である京丹後エリアには意外にも山を越えればすぐです。

昨年、久美浜湾のすぐ近くにオープンした「THE SPICE」さんは、昼はスパイスカレーと珈琲とデザート。夜はお酒とスパイスを効かせたメニューで、昼も夜もスパイスを楽しめるお店。注目すべき点は、この地域にはまだまだ馴染みの少ない本格的スパイス料理を提供している点ではあるのですが、個人的にはお店を営んでいる建物に注目したいところ。

大正時代に建てられた木造三階建ての元料理旅館は、長く空き家となっていた場所で、ここにある価値を再活用したいと考えお店として復活させているのですが、古い建物はただ古いからいいわけでは決してありません。何を活かして何を新しくするのか。耐震や耐火のような最低限必要なこともあれば、寒さや暑さといった問題もあります。便利さを取るのか、不便さを我慢するのかで、建物の雰囲気は大きく変わってくるように思います。

ぼくらもそうですが、どう建物を活かすのか、どう不便さと付き合っていくのか、便利な方がいいけど趣は残したいという、矛盾さと常に戦っています。そういう意味でも、この建物はうまく活用がなされており、真似したい点もたくさん。なによりも大解放された扉や窓からは、久美浜湾からの風が吹き込み、空気のよどみが感じられない気持ちの良い場所でした。

THE SPICEさんもそうですが、子どもの頃って都会や新しいものへの憧れもあって、こうした古い建物に価値を見出すことができない人も多く、それは当然のことだと思います。でも、都会で働いていろんなカルチャーを吸収してみると、昔は気づかなかった価値に改めて気づくことができた人も多く、こうやって再活用されるケースも増えてきていますし、もっと増えて欲しいなと思います。

田舎には、まだまだ活かしきれていない価値がたくさん眠っているはず。建物を壊さず活かしたい方は、ぜひ伺ってみてください。

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