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2021.12.10(金)

大掃除するなら松野屋の荒物

松野屋

豊岡にUターンしてくる前まで、東京の下町で10年近くを過ごしました。隣近所でお醤油の貸し借りが未だにあるような昔ながらの暮らしが残る下町には、東京でありながらも素朴で飾らない日常が残っていて、大好きな町でした。

そんな中で出会ったのが「荒物」でした。荒物とは、ほうきやちりとり、ざるなど少し前まではどこにもであった簡単なつくりの日用品のことです。そんな荒物をうまく日常に取り込んでいる方が多いのも、下町の暮らしで知ったことでした。

豊岡に戻ってきて、実家が解体されるのに伴って蔵の中を整理していると、下町で出会ったような荒物が次から次へと出てきました。実家ではほとんど使われることがなくなり、蔵の中でひっそりと眠っていた荒物たちは、下町で出会ったそれと変わらないもので、ぼくらはお店の什器としてはもちろん、自分たちの生活にも積極的に取り込んでみました。すると、すっと生活の一部に馴染んでくれるだけでなく、使ってみると随所にこだわりが詰まっていてとっても使いやすく、それでいて丈夫です。

蔵の中に眠っていた大量のざるやカゴは、使用する前にお店の前で洗いをかけるのですが、カゴをずらっと並べて干していると近所のおばちゃんやおばあさんが足を止めて「昔はこういうのよく使ってたわね」とか、「こういうの最近は売ってないわよね」とおしゃべりして帰っていかれることがよくありました。とあるお客さまは、お店のお買い物カゴとして使っているざるを手に取り、値段を尋ねてくださったこともありました。

蔵の中に眠ってしまい、いつの間にかプラ製品に置き換わってきた荒物は、需要がないわけではなく便利なものへと移行してしまって、その使い勝手の良さや人の手で作られたものの温かみが薄れてしまったり、若い人の中には存在すらも知らない人もいるのかもしれません。

そこで、そんな荒物の良さをお伝えしたいなと常々思っていたのですが、蔵の中にあるものは売るほどもありません。以前、市内の金物屋さんで現代の暮らしでも比較的取り込みやすいものを選んで仕入れをさせていただいたこともありましたが、数に限界もあったことから、ぼくらが長年暮らしてきた下町にあり、商品を愛用していた荒物問屋「松野屋」さんにお願いをして仕入れをさせていただくことになりました。

松野屋さんは、1945年に鞄問屋の会社として創業しましたが、徐々に荒物を中心とした問屋へと移行し、現在は自然素材を中心とした日用品をぼくらのような店舗へと卸されています。

今回、12月の大掃除シーズンということもあり、松野屋さんの商品の中からお掃除用品を中心に仕入れを行わせてもらいました。これから一年分の汚れを落とそうと考えている方もいらっしゃると思いますが、掃除用具の買い替えをお考えの方がいれば、ぜひ松野屋の荒物を検討してみてください。(人気のカゴやざるといった製品は今回入荷はないのでご注意ください)

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