5寸鉢（深鉢・トビ青）小石原焼／鬼丸豊喜窯

青のグラデーションと飛びカンナ

器全体をぐるりと彩る「飛びカンナ」の模様。その上から淡く重ねられた青緑の釉薬が、まるで朝露のようにうつろい、静かに光を受け止めます。

飛びカンナは、小石原焼を代表する技法のひとつ。回転させた器に刃を当てて削ることで、リズミカルな模様が生まれます。この鉢では、そのひとつひとつの跡が、釉薬の濃淡を通して生き生きと浮かび上がり、目にも楽しい表情を見せてくれます。

少し深さのある5寸鉢は、煮物やサラダ、フルーツなどさまざまな料理に使いやすく、盛りつけるたびに食卓が少し豊かに感じられるうつわ。日々のごはんに、ささやかな彩りを添えてくれる存在です。

つくり手の紹介／鬼丸豊喜窯

福岡県・小石原の山あいに窯を構える「鬼丸豊喜窯（おにまるとよきがま）」は、小石原焼の伝統を受け継ぎながら、暮らしに寄り添ううつわを丁寧に作り続ける窯元です。

代表的な「飛び鉋（とびかんな）」や「刷毛目（はけめ）」といった伝統技法を大切にしながらも、現代の食卓に自然と馴染むような色合いやかたち、手に取りやすいサイズ感に仕上げられているのが、鬼丸豊喜窯のうつわの魅力。使うたびに、その使いやすさと心地よさを実感していただけるはずです。