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2021.09.03(金)

豊岡に住んで驚いたこと/伝所鳩のお便り(33)

豊岡の風景

おはようございます。伝所鳩は現在休業中です。再開は9月9日(木)を予定していますが、コロナウイルスの感染拡大状況によっては延長の可能性もございます。また来週になったら詳しくお伝えできるかと思いますので、今しばらくお待ちいただければと思います。

お店をお休みしている間はなかなか書くことが思い浮かばないのですが、今日は豊岡の暮らしについて書いてみたいなと思います。とっても長くなってしまったので、暇つぶしにでもお読みください。お忙しい方はサラッと読み飛ばしてください。お店とはほとんど関係ない内容です笑

豊岡と東京の二拠点生活をスタートしたのが、2018年の11月。豊岡でも暮らすようになってもうすぐで丸3年になりますが、コロナの影響もあって豊岡の割合がずいぶんと多くなり、田舎暮らしも定着してきました。

最初こそ、なんだかんだと不便なことに不満を持ってはいましたが、慣れてしまえば都会の暮らしよりも落ち着いた田舎暮らしが心地よくなってきています。まさに住めば都ですね。

ただ、やっぱり暮らし始めたばかりの頃は戸惑うことも多かったので、都会からこれから移住してくる人や移住を考えている方に向けて、ぼくらが驚いたポイントを挙げてみたいと思います。

<車社会で歩かなくなってしまう>
とにかく田舎は車移動が中心です。電車やバスの数が少ないとかってレベルの前に、そもそも公共機関を使うという選択肢がほとんどありません。最近は、近所でも歩いている人や自転車でお店に来てくれる方を見かけるようになりましたが、健康を考えて歩くことを意識しているのは、高齢の方や都会に住んでいた方がほとんどで、地元の人はほとんど歩きません。ゴミを出すのも車という方がいるくらい、意識して歩かないと本当に歩くことがなくなるので、どんどん体が衰えていくのを実感します。

<出会いが少ない>
車社会では、人とすれ違うことも少ないので、思わぬ出会いがありません。人が集まる場も少なく、会社や学校、同じ地域の人など、限られたコミュニティの中でしか出会いが生まれにくいので、世界がなかなか広がりません。都会のマンションは隣に住んでいる人の名前も顔も知らなかったりしますが、田舎は周りを高い塀で囲った家も多く、オープンな形ではないので、名前や顔を知っていても普段はあまり交流がなかったりもします。

<ゴミのルールが厳しい>
豊岡は、指定のゴミ袋を購入しなければゴミを出すことができません。今はもうビニール袋も有料化されてもらうことがなくなりましたが、スーパーやコンビニでもらうビニール袋では出せないことに最初は驚きました。ゴミ袋は、1枚あたり数円~数十円のコストがかかるので、ゴミをなるべく出さないようにという考えに変わりました。ただ、粗大ごみの処理費用に関しては、都会よりこっちの方がかなり安いです。(およそ4分の1)

<病院が少ない>
お店もそうですが、田舎は選択肢が少ないです。最近はいいお店にもたくさん出会いお店の不満はあまりなくなりましたが、病院に関しては、病気の内容によっては車でわざわざ遠くまで通わなければいけないこともよくあり、自分が歳を取って運転できなくなったらどうなるんだろうと危機感を覚えます。また、病院の数が少ないからか、歯医者さんに予約の電話をしたら1カ月待ちと言われ、この痛みは我慢するしかないのかと呆然としたことも。田舎で暮らすには、近くに信頼のできるかかりつけ医がいるかが重要ポイントになる気がします。

<虫がとにかく多い>
やっぱり虫は多いです。それも見たことがない虫も多くいるので、最初の頃は得体の知れない虫を見てはよく悲鳴をあげていました。特に2018年はカメムシが大量発生した年で、毎日襲いかかってくるカメムシにノイローゼになりそうなほどでしたが、去年と今年はほとんど見かけなくなり過ごしやすかったです。果たして今年はどうでしょうか。

<夜が暗い>
とにかく夜は暗いです。都会の空はさまざまな明かりで照らされてグレーっぽい空をしていますが、田舎は真っ黒。暗いというか黒いという表現が近い気がしました。道路も外灯が少ないので、最初の頃は夜がとにかく怖かったのですが、当然ながら星はよく見えます。最初の頃は信じられない星の数に驚いたものです。

<雨の日が多い>
弁当忘れても傘忘れるなという言葉が山陰地方にはあるくらい雨の日が多いです。子どもの頃はそれが当たり前だったのであまり気にならなかったのですが、一度都会の安定した天気を味わうとあまりの雨の多さにちょっとしんどくなることも。洗濯物は乾きづらいですし、気圧の変動で頭痛がしたりなんだかだるくてやる気が出ないなんてことも。

<テレビが弱い>
ワイドショーやバラエティで紹介されるお店はほとんどが都会。都会に住んでいた頃は、テレビで見た場所にすぐに行けましたが、今はなんだか遠い世界の話を見ているようで、ほとんどテレビを見ることがなくなりました。また、兵庫県北部ではテレビ東京(大阪)の映らないエリア。ネット配信でも放送されていないものも多いので、テレ東系の番組が好きな移住者の方からよく嘆きの声を聞くことがあります。ぼくもその一人。

<物価は意外に安かったり高かったり>
田舎は固定費がかからないとは言いますが、家賃に関して言えば豊岡市街地はそこそこします。アパートは都会よりも広めの設定にはなっていますが、値段はそこまで変わらない印象で、広さを求めない一人暮らしの方にはあまり向いていません。一方で、野菜などの食品は当然ながらめちゃくちゃ安くて新鮮です。時期にもよりますが、これで利益があるんだろうかと思うような金額で売られていることも多いです。

<納豆がほとんど売っていない>
関西の人はあまり納豆を食べないですが、それもそのはず東京と豊岡のスーパーの納豆売り場の面積を比べると、ほぼ半分くらい。つまり売っている種類はごくわずかしかなく、関東で売ってる納豆の方が美味しいものがたくさんあるので、納豆好きな方が多いのも頷けます。豊岡で売っているものをほとんど試してもみましたが、今のところ美味しいものに出会えていないので、美味しいものがあれば教えてもらいたいです。

ざっと思いつくものを挙げてみましたが、正直なところ車と病院以外は、我慢できることばかり。生活や健康に関わるものは少なく、それよりも新鮮なものが手に入ったり、ストレスのない暮らしができる田舎はそれ以上の魅力があるようにも感じています。これを書いていて「お店が少ない」という項目が入らなかったのが自分でも驚きなくらい、お店が少ないことはそこまでマイナスではないということにも気が付きました。

まあ、誰にでも田舎の暮らしが合うわけではないので、上記に挙げた点などを参考に移住を検討してみていただいたらいいのかなと思います。

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